去る2023年8月19日、LELA（ランタン・オブ・ザ・イースト・ロサンゼルス）インターナショナル主催の平和展、”Bridge for Peace”にて茶道デモンストレーションを裏千家淡交会ロサンゼルス協会が執り行いました。創設者で、原爆体験者である坂田英夫氏が、平和を願って開催された茶会ですが、開催日三週間前に他界なされ、奥様が遺志を引き継がれ参加されました。茶道文化の浸透と世界平和を願い、“一盌からのピースフルネス”を理念とする裏千家十五代お家元千宗室と、アートを通じて平和と調和を広めるために活動されてきた坂田氏に共通性を感じた阿部宗真幹事長は、この度の機会を設けました。

色紙は禅宗寺山下顕光老師筆の「和敬静寂」が掛けられました。茶杓は、東大寺二月堂で僧侶が世界平和と国民の至福を願い、松明に火が灯される “修二会” という行事で使われる竹で作られたものを選び、銘は「友好」としました。夏の季節の花、鷺草をあしらった平棗、義山の流水青楓平茶碗や水車が描かれた織部焼茶碗、水指には涼しさを感じさせる染付竹絵を使いました。

阿部宗真のナレーションを聞きながら、グテレス宗結が立礼にてお点前を披露し、中森宗陽，広瀬宗理、ギル宗美がお菓子とお茶を振る舞いました。多くの参加者にとって茶道について学ぶことや、お抹茶を頂くことは初めての経験で、とても意味深い席となりました。