鵬雲斎汎叟宗室居士追悼茶会2025年10月12日曹洞宗北米両大本山別院禅宗寺
穏やかな南カリフォルニアの秋晴れのもと、裏千家淡交会ロサンゼルス協会員82名は、鵬雲斎汎叟宗室居士の御遺徳を偲び、リトル東京の禅宗寺に集った。
午後1時、鐘の音を合図に法要が始まり、小島秀明住職により宗匠の御影に向かって読経が行われた。続いて鵬雲斎宗匠のための一碗の茶が上杉宗裕氏により供され、ロビンソン宗心氏が介添えを務めた。花寄では、協会員有志が心を込めて花を入れた。再び小島住職の導きにより一同で般若心経を唱和し、全員が焼香を行った。
その後、阿部宗真幹事長が挨拶を行い、京都で最後に宗匠にお目にかかった際の思い出を語った。堀宗博会長による追悼の辞では、宗匠が戦禍の時代を経て「一碗からピースフルネス」という理念のもと、茶の湯を通じて世界に平和への理解を広められたことを称えられた。閉会の辞は阿部幹事長によってなされた。
法要後は寺院ホールにて呈茶が行われ、亭主はシリロ・ドミネ氏、半東はレベッカ・コルベット氏が務めた。点前に用いられた道具類は、会員が持ち寄ったもので、宗匠の「茶の湯を通じた世界的精神」を象徴する品々であった。主菓子「面影」は児玉宗信氏による特製で、点て出された薄茶とともに、参列者はそれぞれの思いを抱きながらいただいた。
本行事は、鵬雲斎汎叟宗室居士のご生涯とその功績を改めて心に刻むことができ、拙協会にとって誠に意義のあるひとときとなった。







