2026年3月22日 利休忌

利休忌
2026年3月22日
日蓮宗米国別院

例年にない暖かな三月の日曜日、南カリフォルニア各地から淡交会協会員・友の会会員が一堂に会し、年に一度の「利休忌」が厳かに執り行われた。利休忌は、茶道の大成者・千利休(1522~1591)の生涯、その影響力、そして美徳を偲ぶ大切な日である。阿部幹事長は開会にあたり参列者を歓迎し、来賓への謝意を述べた。来賓には今日会代表の坂井貴之氏をはじめ、計六十二名が出席した。

 例年、供茶(供茶式)は一つの社中が担当する。本年は禅宗寺社中がこの厳かな献茶を務めた。亭主はケネディ宗幽氏、半東はティアンテ ズー氏が務め、正客はロビンソン宗心氏、次客はベッカー宗華氏、三客は大島宗治氏が席入りした。「花寄せ」では、協会の幹事や指導者が、掛け花入れに明るく季節感あふれる花々を活け、利休居士に捧げた。

 その後、全参加者に薄茶とお菓子が振る舞われた。お菓子には風月堂の「時雨」が用いられた。これは、ロサンゼルスにおける裏千家の礎を築いた松本宗静氏が好んだ菓子である。床の間には、淡々斎筆「静寂」の二字を賛とする利休居士像が掛けられた。一燈の蝋燭が灯され、利休居士をお迎えする導きの灯として席中を照らした。

 供茶の後には、南カリフォルニア大学日本研究司書であり、シドニー大学にて日本史の博士号を取得したレベッカ・コルベット博士による講演が行われた。本講演においては、十九世紀から二十世紀初頭にかけて、日本人以外の人々が抹茶と出会った初期の様相に関する新たな研究資料が紹介された。とりわけ、濃茶や薄茶の風味を好まなかった旅行者たちの体験や、外交官・外国人労働者・宣教師の妻や娘を中心とする、初期の外国人茶道修学者に関する記録が取り上げられた。現在の世界的な抹茶ブームを踏まえると、西洋人が初めて抹茶に触れた際の滑稽でありながらも真摯な反応を知ることは、極めて示唆に富むものであった。